高気密と高断熱
高気密

①ビニール製(塩ビ製)クロス
②プラスターボード
③断熱材(柱と柱の間に入れる)
④断熱材の袋状フィルム
⑤構造合板の耐力壁面材
⑥湿気を透過する紙(防水紙)
⑦外装下地材の通気工法による隙間
⑧換気部材がある外装材
- 逃げ場を失う壁の中の湿気
上の図は一般的な住宅の断面図で左側が屋外、右側が室内、中央に断熱材です。
中央③の断熱材は柱間に入れるので空気がある以上、湿気もあります。夏は高温多湿になりますが、この湿気はどこへいくのでしょうか?
透湿抵抗値が高い=湿気がこもりやすい構造合板
構造合板9mm厚の透湿抵抗値は10.3(数値が小さいほど良い)
例 コンクリート:6.3 土壁:0.9 漆喰:0.36
構造合板はコンクリートの1.6倍も透湿抵抗があるのです。
- 過度な高気密は危険
外気温0度・室温20度・室内湿度60%で壁内結露が発生するといわれます。
構造合板によって壁内結露の危険が増し、さらに耐水性が悪い為、白蟻被害も起き易く構造体が腐食します。ダイライトは火山性ガラス質複層板で防蟻・防腐も優れた防火材料です。前記の透湿抵抗値は2.3 構造合板の4分の1で湿気を逃がしやすい構造用面材ですNTホームは
耐久性が高く腐食の恐れの小さい国産桧の骨組と、湿気を逃がしやすい構造であることで結露対策としています。
壁倍率2.5倍の耐力壁面材「ダイライト」は標準仕様です。
高断熱
- 外断熱
外断熱は柱の外側に断熱材を貼り付けるので、家全体が魔法瓶のような感じです。断熱効果は高い反面、内断熱より高価になります。取付可能な厚さは3センチ程度で、外壁の重量を専用ビスで支えなければなりません。一般にポリスチレンフォーム材は透湿抵抗値が高いので換気計画に十分な配慮が必要です。 - 内断熱
繊維系グラスウールは
高性能タイプは軽くて施工がしやすい断熱材です。ガラス繊維でシロアリ被害にも遭わない不燃材料です。ロックウールは
吸音性がある反面、重量が重いので壁の中で沈み込む可能性があり、グラスウールに比べ多少割高です。セルロースファイバーは
新聞古紙から作られ、最も高価です。調湿・吸音効果は大きいですが、性質上、鼠被害を心配します。押出法ポリスチレンフォーム(XPS)は
充填断熱のなかでは熱抵抗値が最も高く、耐水性も高い反面、床下断熱材に使用する場合は雨に濡らさない現場管理が重要です。硬質ウレタンフォームは
最近多くなった現場吹付タイプで同じ材料のボードタイプに比べ、吹付厚さにバラツキが出ないように注意が必要です。個人的には柱が呼吸できなさそうな気がします。
高性能グラスウールを標準仕様にしています。